インターネットの普及により新聞社の経営基盤がゆらいでいるが、規模を縮小してNPO化して生き残るという話がアメリカで出てきている。


これに関し、ワシントン・ポストのレナード・ダウニー副社長のインタビューが毎日新聞1月11日号にある。


ダウニー氏とコロンビア大学ジャーナリズム大学院の教授がジャーナリズム危機の実態を調べ、地方新聞でリストラにあった記者は、取材拠点をNPOや大学に移し、ここに参加する人が増えていることをみつけた。


そこで、コロンビア・ジャーナリズム09年11・12月号に新聞社生き残りの提言を発表し、
・連邦議会と国税庁は取材記者の任意団体を非営利組織として認可すること
・慈善家と各種基金はここを支援する
・大学を調査報道の地域拠点にする
・こうしたNPOへの公的資金を増やす
などという。


インターネットの普及で読者が減り、今度の不況で広告費が激減し、経営基盤の弱い地方の新聞社は消滅する実感にあるようだ。そこで生き残り策としてダウニー氏の提言が出てきた。


これに対し、
・NPOの全米公共ラジオは今度の不況で寄付金が減りリストラをやっている。不況期には寄付金は減る。
・公的資金は報道を曲げる。
・繁栄した過去を取り戻そうとしてるだけ。
というような反論がある。


事情は日本でも同じである。昨日のNHK総合TV夜7:30の番組でこれを取り上げ、コメンテーターとして出ていた立花隆さんは、新聞社の生き残り策は定かでないが、NPOになって寄付金を新聞社の財源にするのは一つの選択肢だろうとNPO化を評価していた。


アメリカではNPOの社会におけるステータスは高くこんな議論が起こるが、日本ではこういう発想はない。座して何もしないと消滅の危機があるので、NPO化に挑戦してみたらいいのにと思う。