アメリカでは70年代の後半に、大手の銀行は地域で集めたカネの一部をその地域で使わなくてはいけない法律ができた。この資金は地域で小規模融資や住宅ローンをやっているコミュニティバンクの資金源になっている。
地域の小口融資は返済率が高く貸し倒れが少ないうえ、高金利なので儲かる。大手行からみると高収益部門なので、資金は自然にここへ流れる。
こういう仕組みがあると社会起業家は事業を起こしやすい。アメリカで社会起業がさかんなのはこういうインフラがあるからということもある。
日本にはこれがない。しかしやり方をちょっと変えると出来そうな感じもする。
亀井静香郵政改革相は、日本郵政グループのゆうちょ銀行やかんぽ生命保険の資金を地域金融機関との協調融資に活用していく考えを明らかにし、「地域のためにちゃんと機能する事業体にする」と述べた。
ただ、貸し付けノウハウはいないので、与信管理は地域の信金、信組、第二地銀などが行う形での協調融資になる。
実際には地域の中小企業や商店が融資対象になるが、視点を広げて社会起業やNPOの事業も郵貯との協調融資の対象にすればいいのにと思う。
日本でもそんなことを考える時代になっている。