百貨店は不況の影響をまともに受けてるが、クリスマス用の「チャリティ・ギフト」だけは絶好調で売上げを大きく伸ばしてるという話。


竹井善昭(ソーシャル・ビジネス・プランナー)はダイヤモンドのデジタル誌(11月24日号)に『クリスマス商戦にも「社会貢献」の波。 「チャリティ・ギフト」が不況の百貨店を救う?!』を書いている。そのサイトはここです。


例えば、松屋で販売されている X'mas用の「キューピー」ピンバッチ、写真のバッチだが、今年の販売個数を昨年の7000個から10000個に大幅に増やした。その理由は、昨年の売れ行きがあまりに良すぎたためで、浅草店では11月中に、銀座店でも12月中旬に売り切れてしまい、X'masチャリティなのに、12月25日まで10日も残しながら、売る商品がないという状況だったからである。


町田洋次の社会起業家・エッセンス


その販売サイトはここ 、1個300円、売上げの一部がルーム・トゥ・リードへ寄付される。次の伊勢丹の例では三分の一が寄付金なので、この例でも1個100円の寄付だとすると、1万個で100万円になる。


竹井さんも書いてるが、チャリティの寄付先をはっきりとさせてるのが好調な理由だと私も思う。


次は、伊勢丹の X'masチャリティ・キャンペーン「Merry Green Christmas」、今年で4年目になるが、熊がサンタになった「ベアサンタBE@RBRICK 」のストラップなどがチャリティ・グッズとして1個300円で販売され、うち100円が日本の環境保護や森林保護活動を行なうグリーンサンタ基金に寄付されている。


このベアサンタBE@RBRICK 、多くの固定ファンがいる人気商品で、2006年度と2007年度が約10万個。昨年は約30万個を販売した。販売サイトはここ


これらは寄付の変形、市場で寄付金を集めるやり方である。しかし価格の三分の二が原価(製造費や販売費)、寄付は三分の一しかないのが気にくわないが、市場を使うとなるとこうなるのは仕方ない。


そこで価格に占める寄付の割合を増やすには価格を上げる、例えば300円を400円にすると200円が寄付になり寄付率5割となって美しい姿になる。そのためには社会がこんなによくなるという物語を語ることにより、消費者の心をつかまえることが必要、そんな物語をつくることが大切である。


ルーム・トゥ・リードの場合、アジアの貧困国で小学校や図書館をつくるのが事業であるが、創業者ジョン・ウッドが書いた「マイクロソフトでは出会えなかった天職」がベストセラーになり、ジョン・ウッドの事業は人びとの心をつかまえたので、400~500円の価格になっても売れるのではと思う。この辺りの値付けが肝心である。