来年、社会貢献ブームになるという説がある。マーケティングの専門家竹井善昭さん(株式会社ソーシャルプランニング代表)がダイヤモンド誌のデジタル版に『来年、大ブレイクの予感も!? 「社会貢献ブーム」を裏付けるこれだけの理由』を書いている。そのサイトはここ

根拠はこうである。ボストン・コンサルティング・グループは、今年、寄付に関する調査をやり、結果はこうなった。

・特定の団体やプログラムに寄付している: 約4%
・近いうちに寄付しようと思っている: 約6%
・良いところがあれば寄付したい: 約40%
・まったく興味がない: 約50%


竹井さんはこれをマーケティング理論の古典「イノベーター理論」にあてはめる。この理論はアメリカのロジャーズ博士がつくったロジャーズの理論として有名である。


モノゴトの流行は、イノベーター>アーリー・アダプター>フォロアー>レイト・フォロアーの順番で伝播していく。新しいモノゴトに真っ先に飛びつくのがイノベーター層、その後、アーリー・アダプター層が受け入れ、フォロアー、レイト・フォロアーと続く。それぞれの層の割合は、
・イノベーター:5%
・アーリー・アダプター:15%
・フォロアー:40%
・レイト・フォロアー:40%
となっている。


「寄付してる」「近いうち寄付する」「良いところがあると寄付したい」の順が、「イノベーター」「アーリー・アダプター」「フォロアー」の順に対応してるというアイディアにより、来年あたり寄付する人の割合が爆発的に増える(寄付フォロアー全盛時代になる)と予想している。


ロジャーズの理論の原典は
・イノベーター(革新者):2.5%
・アーリー・アダプター(オピニオン・リーダー、初期少数採用者):13.5%
・フォロアー(アーリー・マジョリティ、初期多数採用者):34%
・レイト・フォロアー(後期多数採用者):34%
・ラガード(採用遅滞者):16%
の5つに分かれてるが、竹井さんが日本の実情に合わせた数字にしてあり、日本のほうが流行の進みぐあいがはやい。


なるほど、ロジャーズの理論に当てはめるやり方もあるのかと、この着眼点には感心した。


しかしアーリー・アダプターからフォロアーまで行かないで途中で消えてしまった現象もたくさんある。最後まで流行の法則に乗っていた勝者が振り返るとこうなるというのがロジャーズの理論である。


しかし、私も竹井さんがいうように社会貢献活動が大ブレイクするのではないかと思っている。なお、竹井さんは大ブレイクの論拠をロジャーズの理論からだけでなく別の角度からも説いているので上記のサイトで確かめられたし。


そう思うのは、社会起業コンセプトを2000年ごろ発し、以後、日本社会でどう受け入れらるかをみて来たが、予想外に早く社会に浸透してきたことを実感してる。さらに、小泉・竹中流の市場至上主義の思潮から、市場と社会の両方を大事にする社会の思潮に世の流れが変ってきているからである。市場と社会の両立の方がはるかに難しく、挑戦のしがいがあるのだが。


政治的には中道右派から中道左派への転換であるが、昔の左派のように単純に税金をばら蒔くのでなく、創造的なやり方で社会化を進めるので(ゲイツ財団のビルゲイツのように)、政府の役割が小さくなったまま、企業や個人の社会貢献活動が進化し、社会のいろんな問題を解く時代になると思っているからである。


「社会貢献が大ブレイク」という発想には賛成である。