前回、農業で社会起業らしい企業の話しをしたが、今回もそれである。


みずほの村市場は、㈱農業法人みずほがつくば市で経営している農産物直売所で、会社のサイトはここ (素人がつくった素人ぽいサイト、要改善)。

産直の野菜市場は各地にあり、不況にもかかわらず売り上げが伸びてるので、マスコミにはしばしば登場する売れっ子である。産直市場の優等生といったところである。


農家は自分がつくった野菜を市場に持ち込み、自分で値段をつけて並べる。売上げの15%が市場の会社に行き、85%が農家の取り分になるが、市場の年間売上は5億円にもなる。(市場会社が15%も取るとはずいぶん取るもんだと思う。直売所経営はいい商売である)


私が感心したのは、こうした市場は産地直売なので安さを売りにしやすいが、高品質と安全(出店する農家の顔が見える)、新鮮(早朝取ったのを今日売る)を売りにして農協へ売るよりも高く売っている。


高く売るのは農家が再生産できる価格が必要で、その理念を実現している。


農家が売り場に並べた野菜は、長谷川久夫社長みずからチェックし、問題のあるものは撤去し、農家を指導する。こうすることで高品質を維持する。長谷川社長によると、直売所に参加することで「農業生産者から農業経営者へ」変われるという。


農家がじかに消費者の趣向を知り、生産をそれに適応するのも経営者の行動である。


農協に出してると450万円の農家の年収が、この市場を通すと+200万円、650万円になるそうだ。値段が高いことと、中間排除、農協、都市の青果市場、卸、スーパーへ行っていた利益を農家と村市場が取るからである。


この直売所は10年以上もやっており、事業として成り立つ市場はどんなものか考えてきた。最近好調なのは時代の精神がこうしたところを求めてるからで、農業で伸びてるのは社会起業のにおいがする事業である。