この間、この人物のインタビューをNHKハイビジョンでやってましたがなかなかのものでした。情熱的に思想を説くのでなく、自然エネルギーの実績を静かに語る姿がよかった。自信満々、理論物理学でなく実験物理学を学んだ姿勢が出ていたように思いました。


番組での紹介は、オバマのグリーン・ニューディール政策の論拠つくった人で、ハーバード大とオックスフォード大で実験物理を学んだ(オックスフォードでは博士論文を自然エネルギーで書くといったところ、担当教授はダメと認められず、そんならとオックスフォードを辞めた話をしてました)、タイム誌は未来をつくる100人に選び、「時代は33年たってロビンズに追いついてきた」と絶賛してます。


「ソフト・エネルギー・パス」を1977年、30才のときに書き、現在はロッキーマウンテン研究所の所長、82年に設立、80人、です。33年先に進んでいたというのはこの本のことでしょう。


グリーン革命は起業家が成し遂げますが、分野が分野だけに社会起業家も参加できると思っており、ロビンズの話を聞いたのです。


なるほど、そうなのかというのはこんなことです。


・軍の省エネ技術開発が民に波及する
ロビンズは軍の顧問をしてますが、グリーン革命を起こす技術開発は、ここでも軍需です。番組ではイラクの兵舎が出てきて、断熱材の開発で冷房がほとんどいらない建物が紹介されてました。


インターネットやITも軍需が先に進み、それが民に伝播しましたが、グリーンエネルギーも同じです。


・電力の7割はビルが使っている
グリーン革命というと省エネビルが出てきますが、今の省エネは工場でなくビルなんです。これは日本にはない感覚で新鮮です。


ニューヨークではビルの省エネ規制があるので、グリーン革命は進んでます。東京もそんなことになるのでは。


・プラグイン・ハイブリット車
ロビンズが開発している「IDEA」がそれです。開発主体はブライト・オートモーティブ、GMの開発者が引き抜かれてやっており、グーグルも参加してます。2011年宅急便の集配車として販売、リッター45キロと燃費効率は抜群です。


・スマートグリット
双方向の高圧送電線網。太陽光や風力で発電した電気を電気自動車の蓄電池に溜め(住宅の2日分が溜まるそうです)、電力不足になるとこの電池から送電線に逆に送ります。


コロラドのボールダーで5万世帯の実験をGEとグーグルとともにロビンズがやってます。


このアイディア(車輪のあるバッテリー)はロビンズが91年に思いつき開発をやってましたが、実用化の時代に入ったのです。この実験はアメリカの各地で始まっている話を聞きます。


日本の経済産業省は、ニューメキシコで日本企業を集めスマート・グリットの技術開発をやるそうですが、日本でやればいいのにと思います。


アメリカにはこういうことをやるのにいい雰囲気があるんでしょう。技術開発をアメリカでやるなんて変なことですが