昨日、早稲田大学の三好大助さんに会い、バングラディシュのグラミン銀行でやったインターンシップの話を聞いた。三好さんはグローバル・チェンジメーカーズ・プログラムのチーフ・コーディネーターをやっており、この夏20人の大学生でグラミン銀行へ行ったが、いまどき元気のいい珍しい話で、日本からそんな大学生が出てきたのかと感心した。


話の中で面白いと思ったのが世界から集まってきた大学生(グラミンにそんなプログラムがあるらしい)のうち4割はフランス人で突出して多く、異様に感じられたという話だった。


なぜフランス人が多いのか、二つのことを想起した。


まず「未来を変える80人」(06年、日経BP社、80日間世界一周をもじった題名)、これはパリの商業学校を出てフランスの多国籍企業に就職した若者が、1年半の勤務のあと03年から1年以上もかけて世界の社会起業家を訪ね歩いた話しである。


グラミンのユヌスの自伝を読み触発されてそんな旅に出たが、旅に出る準備段階から多くの人の協力があり、パリでは2000年代のはじめから社会起業家への関心が若者の間でずいぶん高くなっていたことがわかる。


それから5年以上たってるので、相当もりあがってるだろう。


想起したもう一つはグラミン・ダノンである。ダノンはフランスの多国籍の食品企業、ミネラルウォーターのエビアン、ヴォルヴィックで有名である。


グラミン・ダノンはヨーグルトの製造と販売をしている合弁会社である。


05年、欧州にいたユヌスはダノンの会長に昼食に招かれ、ダノンのビジネスのヒントを教えて欲しいと頼まれたので、それなら一緒にソーシャル・ビジネスをやりましょうと提案、栄養価の高いヨーグルトをバングラディシュの子供に食べさせるのと、製造と販売部門で雇用をつくるのが狙いである。


07年に工場がオープンしたとき、テープカットにサッカーのジタンが出席し、日本でも報道されたことがある。社会貢献に定評のある会社であるが、やることが派手で見えやすい。


こんなことがあるのでダノンにはインターンシップの学生を送りこむプログラムがあるのかなと思ったのである。


ユヌスはときどき東京にもくるが、ダノンみたいに会社に招きアドバイスを求めてみたらいいのに、いい話が成就するのにと思う。


三好さんにグラミンが日本から欲しいものは何か聞くと技術だという。ソーラーパネル、携帯電話だが、欲しいのは製薬、医療資材、小売、ホテルなどソフトな技術だと思う。女性が働ける仕事なんでは。


どこかやってみては。