日米社会イノベーターフォーラム09「スケールを求める社会起業家たち」が昨日の午後、三田の慶応大学であったので行ってみました。


フォーラム会場一杯の参加者(100数十名)がおり、社会起業のスケールアウト策(事業を他の地域に広げること)に関心がある人がこんなにもいるのかと思いました。


スケールアウト策について、アメリカから参加した「ルートコーズ」のシニアコンサルタントから話がありましたが、これが決定版というようなものはなく、地味な当たり前のもので、そういう点では収益事業の拡大策と大差はなく特別なものではないというのが聞いた感想でした。


これについては別の回で取り上げますが、このフォーラムで面白いと思ったのは、ケースセッションに登場した「ルーム・トゥ・リード」の東京シャプター共同代表の話でした。


ルーム・トゥ・リードはジョン・ウッドが書いた「マイクロソフトでは出会えなかった転職」で日本でも高名となり、資金集めだけの東京チャプター(東京支部)ができ、多額の資金を集めています。


ジョン・ウッドの事業はこの本で世界中に知られるようになり、金が集まるようになったそうです。スケールアウトをするには本を書けとなります。


寄付文化がなく、寄付税制も不十分な日本でよくここまで集めてるな(資金集めパーティをやると数千万円が集まる)と感心していましたので、当事者の話は興味あるものでした。


前出の本は英語で06年に出版されたが(日本語の翻訳は07年に出版される)、これを読んだアメリカンスクールの先生が東京チャプターをつくろうと動き始めたのが始まりだそうです。


サポーターはすでに500人(資金集めの事務をやる人、全てボランティアです、と寄付をする人でしょう)で、サポートする動機はこうです。
「スキルを提供する場ができた」(何かのプロだ)
「やるべきことが探せる自由度」(押し付けがきらい)
「生きがい、役に立っている満足感」「精神的満足感」(満足感を求めるぜいたくな人)


サポーターのイメージは外資系に勤めてる中年で、サポート動機の反対側が日常の仕事で、満足できずいやな「正」(生活費を稼ぐ仕事)があり、それを消す「反」(やりがい)を求めてボランティアが成り立っているのじゃないか、「正」と「反」でバランスをとっていると想像しました。


なるほど、そういう点で今日本はボランティア動機大国なんではと思いました。