「公共の機能をNPOに肩代わりしてもらって小さな政府を目指す」、こう書いてるのは坂村健東大教授(トロンの開発者)で、毎日新聞(8月9日)のエッセー:時代の風「カードサービス多様化 公共系もポイント制に」にあります。


坂村教授はしょっちゅう欧米に行ってるらしいが、そのとき感じた欧米社会の新しい常識をこう書いてるのです。


エッセーの趣旨は、日本でも運転免許証、健康保険証、印鑑証明証など公共カードがあり、それならNPOへ寄付をすると税控除だけでなくポイントがたまるようにして、ポイントがあるとパスポートコントロールを特別レーンですっと通れたり、市役所でお茶とお絞りが出るようなことをやったらどうかと提案してます。


NPOは社会で重要な存在、そこへの寄付に対しお返しのサービスを行う、それが公共カードのポイントだというのです。


坂村教授の主張は、公共部門で民間と同様なサービス精神を持て、景気対策にみられるエコポイントのように、ポイントは大きな市場になってるので、公共部門でも採用したらとアイディアを出してます。


私は面白い提案だと思いましたが、おゃ、と感じたのはそれでなく、欧米でNPOが政府に代わっているという認識です。


一昔前の小さな政府(小泉さんのがこれです)は、小さくなった跡地を古い民間(在来の民間企業)に渡すことでしたが、NPOが肩代わりするのは新しい民間に渡す話しです。


ゲイツ財団の事業展開などをみると、政府に肩代わりする迫力を感じますが、こういう新しい民間が登場した、その結果社会が変ると目をつけることが重要です。


日本にはまだこういう感覚が権力セクター(政治家、官僚、大企業)にありませんし、NPOが政府に肩代わりしてるなんて感覚もありませんが、こういう感性を持ったほうがよい。


日本だってあと5年もすれば、認識が様変わりするんですから