昨日、朝のTBSラジオに世田谷区立和田中学で改革をやった藤原和博さんが登場し、大阪府でやっている公教育改革の話をしてました。


藤原さんは昨年の3月に和田中学の5年の任期が終わり辞めましたが、橋下大阪府知事に頼まれ大阪府教育委員会特別顧問に08年6月に就任し、和田中学式の改革を大阪で始めました。


藤原さんによると、社会改革は政治家になるか、経営を取り入れてやるが、私はどちらでもなくネットワークでやると語ってました。藤原流第三の道論です。


ネットワークとは学校がある地域のボランティアの力を使うのと、同じようなことを全国各地に広めることをいっているらしい。いろんな異なる力をネットワークすることです。


和田中学方式はすでに全国の200校へ広がり面展開中です。


オセロゲームは両端の黒石を白石にかえすことで真ん中の黒石も白にしてしまいますが、同じように公立校改革も両脇の学校で成功すると両脇の間の学校で容易に改革できることを喩えてるわけです。


オセロ方式で改革をやってしまうアイディアは面白い。でも両脇の学校はどれか、選定が難しい、両脇の学校を選定するのは、言うわ易く、行なうは難い、です。


これが藤原さんの戦略です。社会起業はオセロゲームで、と言えそうです。


大阪は全国学力試験で沖縄とならび最下位クラスで、そこから脱出するのが藤原さんのノルマです。和田中学時代はそんなノルマはなかったので、藤原さんの大阪の仕事は大変です。


藤原さんの挑戦は和田中学時代が5年、大阪が1年でつごう6年になりますが、広がりが遅い、社会変革のスピード不足を感じます。


アメリカのティーチ・フォア・アメリカ(このブログでも取り上げましたが、低所得地域の公立学校に一流大学の卒業生を送り、成績を上げる事業をやっている)に比べて、社会へ与えるインパクトが十分でないと感じます。


日本の社会起業は、この広がりのスピード不足はどの事業でも見られることで、社会起業の社会インフラ不足の言い訳をいいますが、ソーシャル・イノベーションを起こす大きな心が足りないからそうなるのではと思ってます。


社会起業では社会を変える大望が大切です。