市立病院が閉鎖したあと、それを引き継いだ診療所です。


市立病院を引き継いだ村上智彦医師は、北海道出身でずっと地域医療をやってきた人でその分野では名のある人ですが、村上さんのメルマガ「今日の夕張希望の杜」の最新号に気になることを書いてます。


医療の分野では日本もアメリカでも、社会起業のいいビジネスモデルがありません。特に、日本中で自治体病院は経営が難しくなっているので、村上さんがベストなビジネスモデルをつくってくれると期待し注目しているのです。


メルマガにはこんなことが書いてありました。


「22日月曜日に久しぶりに全体会議を開きました。夕張医療センターが開業して3年目に入り、知らないうちに組織が公務員化して、誰が決めたか分からない決定がなされていたり、必要な事でもどこかで消えてしまっている状態になってます。」
「何となく前の市立病院の状態になっているのを感じていました。そこで異動を含めた改革をする事にしました。」


要点は以下の様な事です。
・幹部は自分がいなくても運営に支障がない様にして、定期的に異動してもらう。
・夕張医療センターは在宅医療が主役なので、診療所も老人保健施設もリハビリ等もそれを優先して考えて運営していく。
・看護師さんは外来、病棟以外にも老人保健施設や訪問看護など、出来るだけ全てのパートで働けるようにして、ジェネラリストを目指してもらう。
・介護員さんや事務員の人も同様で出来るだけ幅広く仕事が出来て、誰かが休んだ時にすぐ穴埋めが出来るような体制にしていく。(マルチスキル化)
・「決まった事だから」というのは禁句。


村上さんは、こうも書いてます。
「以前と違う形態や自分の知らないやり方を否定する人には新しい物は作れません。医療センター全体では黒字計上ですが、本業は赤字です。交付金や寄付金がなければやっていけない事は問題ですので、現在の幹部職員は全員責任をとって降格にしました。」


夕張医療センターは挑戦を続けてるんだと思ってましたが、やっぱり時間がたつとこうなってしまいます。市立病院で働いてた人が多いのですが、らくで慣れ親しんだ昔のやり方に戻ってしまうのです。


企業社会ではよくあることですが、似たことが非営利法人でも起こったのです。


「在宅医療が主役だ」「数種類の仕事ができる多能工になれ」「挑戦し、創造せよ」、こんなことをそれこそお経を唱えるように毎月でもいい続けないと変革なんて起こらないのです。


地域社会のために働くというかっこよいセリフがあるので、稼いで利益をあげよ、よりもずっと動機づけがやりやすい、これが社会起業のいいところなんです