昨夜、NHKハイビジョン「プレミアム、未来への提言」でムハマド・ユヌスのインタビューを1時間半やってました。


テーマが資本主義の新モデル、新資本主義だったので見ました。


見てわかったのは、ユヌスの新資本主義論はビルゲイツの創造的資本主義と同じです。人は違った場所にいても未来について同じことを考える時代になったのです。


新資本主義に至る道の切り札がソーシャルビジネスです。


ソーシャルビジネスは利潤を極大化するのが目的でなく、社会問題を解くのが目的で、配当はしないが出資金は返済する、そのために黒字でなくてはいけません。


保健・医療や教育がソーシャルビジネスの適地で、グラミン銀行のように金融もそうです。


自由競争の市場経済で「ミッシングピース」だったのが「他人につくすのが人の幸せ」という概念です。これもゲイツと同じです。


そこで資本主義経済の半分はソーシャルビジネスになっているのが新資本主義です。


分野が政府と競合しますが、政府と競争することをいといません。


ユヌスはバングラディッシュ経済をこの新資本主義経済にして貧困をなくそうと野心にあふれてます。


グラミン銀行、グラミンフォン(携帯電話)はソーシャルビジネスですが、06年にはグラミン・ダノンをつくりました。


ダノンはフランスの大手食品企業Danoneとの合弁会社で、バングラディッシュで200万人の栄養失調の子供をなくすためにヨーグルトをつくってます。


07年にはグラミン眼科をつくり白内障の手術を1800人に行いました。このビジネスモデルはインド産ですが、もう世界に普及してるんです。


先進国の大企業が技術を提供することにより、5年で貧困から脱出できるのでいろんな種類のソーシャルビジネスを開発する、これがユヌスの事業です。


ワーゲンとは価格が安く、しかもエンジンを乾季の水汲みポンプにすることができるような自動車の開発を進めてますが、ワーゲンは出来ると自信があります。アディダスとは1ドル以下の靴を開発しています。


すでに技術はありますので、あとはバングラディッシュでも実現できるようなビジネスモデルをユヌスはつくってます。


日本の役割はと問われて、日本はソーシャル・ビジネスでリーダーシップを発揮する、ODAの一部をソーシャルビジネスで活用したらどうかと答えました。


以上のようなことは、日本の政府も企業もまだそうなってませんが、これが日本の未来です。きっとそうなると確信します