フィナンシャル・タイムスのコムラニスト、クライヴ・クルックは、ビルゲイツの創造的資本主義のコンセプトに対して、アダムスミスなら異を唱えただろうという。


スミスは「国富論」で利己主義を説き、「道徳情操論」で利他主義を説いた。人間にはこの二つが同居していると考えていたからである。


現在は競争による社会のひずみが大きくなってきたので、市場競争+思いやりで考えるのが普通のことである。


ゲイツはこの二つを合体した資本主義を唱えたのであるが、時代の思潮には合っている。しかしスミスにとっては当たり前のことなので、わざわざいうことではないと異を唱えるだろうというのである。


ゲイツの創造的資本主義論に対し反対があるのは、当たり前のことをいってるだけだ、資本主義には創造性があるのでわざわざ「新」などをつけて資本主義をいう必要はないという観点からの反対が多い。


こういうことを言う人は、貧困を失くすためのイノベーション、社会セクターでのイノベーションを具体的に考え、社会起業について思考しれば、全く新しいやりようがあると見えてくるが、こんな体験をしたことがないので杓子定規に反対論を唱えてるだけだと思う。


ビルゲイツの提唱には資本主義を進化させようという思いがある。