前回、ビルゲイツが提唱している創造的資本主義(社会セクター問題の解決は政府や慈善事業でやるのでなく、企業が解決する経済のこと)の話をしたが、それがアメリカでどう受け取られたの話をして行きたい。


まずローレンス・サマーズ、オバマ政権の国家経済会議委員長であるがゲイツの提唱には懐疑的で、サマーズの指摘はわかりやすい。


ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)とフレディマック(連邦住宅金融抵当公庫)は多額の不良資産をかかえ倒産した。政府援助法人は官民のよいとこどりというが、反対に双方の悪いところが出ることもある。


そうなると、責任不在でもたれあいになり、うまくいかないのはアメリカでも同じである。


ゲイツは第三セクターのようなものを提案しているわけでないが、ゲイツに便乗する税金どろぼうが必ず出てくる。


だからサマーズは「この世は金儲けも、よい行いをするのも難しい。どこかの企業がその両方を成し遂げると意気込むのを聞くと、私は財布の紐を締める」となる。


この考えはとてもわかりやすい。日本でも公益法人改革が進んでいるが、事情はアメリカでも同じである。


オバマは政府の役割を高めるが、サマーズのような人材が政策をつくるポストにいるので、もうファニーメイような昔の官民合体組織に戻ることはないのだろう。


それにしてもサマーズのような要人がこんなブログ討論に参加するのは日本にはないことで、驚く。