富沢このみさんのBlog「リージョナル・イノベーション 」(ネットワーク論や生命科学から地域論を考えているBlog)に、アメリカのネットワーク3類型 の話しがある。アメリカのネットワーク論は、実態がはるかに先に行ってるので研究対象が豊富なうえ、コンピュータ科学などの頭脳がこの分野に参入しているので、みるべきものがある。


3類型とは、「ポリティカル・ネットワーク」「ソーシャル・ネットワーク」「クリエイティブ・ネットワーク」の3つである。「ポリティカル」は、ユニットサイズが数千、ベキ分布し、これまでの出版に相当。ベキ分布とは、少数が多数を支配する分布のことで、2割の製品が8割の売上を上げるような現象のことである。スポーツやミュージシャンで、スターにたくさんのフアンがつくのもこれである。「ソーシャル」は、150ぐらいのユニットで、正規分布しており、コミュニケーションモードである。「クリエイティブ」は、12ぐらいの大きさで、フラット、コラボレーションモードである。


こんな議論が起こるのは、ネット=ベキ分布という議論が多いので、それへの反論のためである。ネットには、「ソーシャル」と「クリエイティブ」の2つもあるぞというのが新しい視点である。


さて、以上の論点は何か。

その1は、ポリティカル・ネットワークからオピニオンリーダーが生まれることである。なにしろ、ベキ分布なのでスターが生まれるのです。これは今まで新聞や本やテレビが作ってきたが、これからはネットがつくる。この間のライブドア-日本放送事件で堀江さん支持が多かったのはネット効果だったのではないか。ネットの筑紫、ネットの田原が出てくるが、日本では、まだこれからのことなので、若い人は、「Blogで世論をつくる」と目指してみたら。


論点2は、ソーシャル・ネットワークは、すでに日本でもすでにずいぶん発達している。NPOが出てきたり、私が提唱している社会起業家コンセプトが広がった効果である。頼りにしていた政治・行政・企業が堕落し、その反動で起こったことで、このネットワークの出現には必然性があった。初めは電子メールやMLでやっていたが、これからはBlogのツールでやる。すでに走り出してしまっているぶん、Blogでも確実に進むこと間違いなしである。日本には1000年以上ものソーシャル・ネットワークがあったのも追い風になっている。たぶんここではアメリカを抜く最先進国になるだろう。


論点3は、数十人の脳がネットワークでつながれて創発が進む事態であるが、強烈な個性(あるいは脳)が、アンチプロパテント思想に支えられて起こるである。企業や大学内にいて、そんなことやっていいのかなと決心のない疑心暗鬼では進まない。直感としてはアメリカの独壇場のもので、日本ではどうかなという感じ。

こんなわけで、日本は2番目に注力したらいいと思うのですが。