徳島県吉野川市(人口5万人弱)議会は、定数22人なのに昨年10月に3町1村が合併したので、在任特例(旧議員は合併後2年間は議員でいられる制度)で旧町村議60人のマンモス議会となっていた。それはおかしいと市民団体が立ちあがり、署名運動により市議会の解散請求を問う住民投票 が4月24日行われ、賛成93%でリコールが成立し、議会は即日解散、22人を選ぶ選挙が行われる。


市民グループ「市議会解散を求める会」のメンバー(会長は元高校教諭の松本卓可男さん)は「民意を無視しつづけた市議会を、住民の力で解散させることができた」と喜んだ。平成の大合併により在任特例を適用した議会で、リコールが成立したのは全国で5例目。


さて、この出来事の論点1は、在任特例のマンモス地方議会の例はたくさんあり、そこで同様なことがこれから起こるかどうか。数百の対象で5例だと臨界点を越えたとはいえないが、トレンドは起こりそうで、市民のパワーが爆発する。


論点2は、市民活動の実力、なかでも老人パワーの革新力のすごさである。徳島新聞の記事では、この市民団体の会長も事務局長も60才代の老人で、老人パワーが牽引した市民活動だった。老人は、元気で革新的な存在であることを示した。


論点3、これが大切なことであるが、新しく選任される議員で、「市民議会」ができるかどうか。60人をリコールしたのは破壊であるが、今度は創造がいる。22人が市民行政に対応した市民議会の要員になりうる人材なら創造が始まるが、そこはどうか。60人が22人に相似型に縮小したままでは変化は起こらない。

スェーデンでは、市民行政に対応した市民議会もできており、その点ではずっと先に行っており、アメリカの地方議会はこれを学ぼうとしている。若者や女性も議員になり、いろんな職種から参加している。仕事を持っている議員のために、議会は夜開かれるようなこともある。こんな議会がつくれるとよい。


利権議会の建設会社役員、○○団体幹部、農家。。。から、会社のマネジャー、非営利法人の経営者、IT起業家、社会起業家、銀行の行員、教師、テレビ局と広告会社のクリエーター、医師、、レストランのオーナー、介護師、主婦。。。こんな多様な人材が議員になると地域は変わる。市民社会、市民行政とくると、次ぎは市民議会なので、このさい一挙にそれをつくって欲しいと思う。


この出来事は、地元新聞にもあまり出ていない小さな出来事だが、「市民議会」については、日本でまだ議論がないので、この話題を取り上げたしだい。地方分権、自立的な地域の発展が合言葉であるが、企業、市民と行政だけではできませんよ、議会の役割が大きいのです。