片山善博前鳥取知事が最近の地方政治を評してこう言ったそうである。水戸黄門とは国への依存心、公共事業のことである。


毎日新聞高知支局の若手記者が改革派の橋本知事が去ったあとの高知県の様子をコラムに、自立を説いた改革派の知事が去ったあと、水戸黄門待望型に戻ったと嘆いている。


橋本知事の次は財務省出身の若い知事、与党相乗りの組織票で当選したが、水戸黄門待望の世論を現しており、この人なら公共事業がきそうだと選ばれた。


今は日本中こんな状況なのだろうと思う。


高知県は総生産額の42%が公共事業でこれが3割も減り経済は打撃を受けた。住民が公依存から脱却し地域の特性を生かした産業を起こし自立した自治を築くのが掛け声だったが、自立効果はすぐには出てこない。じっと不況に耐えるのには限界があったのかもしれないと記者は振り返り、でも水戸黄門待望の風潮にも反旗をひるがえしている。


ああでもない、こうでもないと、今地方にある出口が見つからない暗さを書くとこうなってしまうのだろう。


県が昨年9月つくった産業ビジョンでは
・食品などの地場産業を育成
・電子デバイス関連産業の集積作り
・自動車産業モノづくりクラスターの形成
・クリーンエネルギー・環境関連産業の創出


こうして現在は5000億円の出荷額を2011年に95年のピークだった7000億に戻す、これが県が目ざす方向である。


しかし過去のやり方で、高知県に電子産業、自動車部品産業ができるとは思えない。現在は産業づくりのパラダイムが変わってしまってるのにまだこんなことをやっていてはよくならない。


県の総生産額の4割を占めていた公共事業が2割ぐらいまで減り、民間の6割が8割になる過程で民が埋めるスピードがあれば不況は長く続かないが民の力はそれほどない。そうなると数年は不況続く。


そうなると「新しい公」「新たな社会の仕組み」を新しい民が出てきてつくる、減った2割分を社会起業で埋める、こういう挑戦があると先に進むエネルギーが湧く。


水戸黄門に頼るのはやめて、社会起業に挑戦すればいい結果がでるのにと思う。